● 何枚?百枚くらい作ったの?
うん、廃盤にするのが目標だから。
● 聞いてくれる人に一言。
「ライブも良いんだけど。ライブだと、なんか締め上げるような音楽っていうか。凝縮してぎゅっとテンションを上げるような音楽じゃなくて、そうなりがちなんだけど、盤は盤で・・・・。ゆるめに。」
● まあ一人でやってることもあるし、ギャップを楽しんで欲しいというか。
「そう、いい事いうね。」
● むかし、一人でいることが楽しいとかって書いてたじゃないですか。
「そうでしたっけ。」
● で、今プロデューサーの森安さんとやることに関してはどうですか?共同作業は。
「最初に僕が曲を幅広く持っていって、森安さんに録音する曲を選んでもらうような感じですね。いざ作業が始まると僕は後ろのほうで、寝てますね。で、出来上がったものに文句をいうんだけど、他のにしてくれと。」
● ライブを二人でやるときは、主導権は稲垣にあるの?
「いやあ、向こうも色々いってくるけど、その場になると覚えてないでしょ?でも、そういうのが好きみたい。ライブまで、細かいこと気にするのはイヤみたい。」
● CD良かったよ。なんか、盛り上がりとかはないんだけど。「線路」とか。
「線路はいいよ。線路っていかにも、線路のリズムだよね。」
● ああ、なんか電車っぽいね。
「レールのジョイントの音みたいのも入ってたり、警笛とか。鐘とか。風を切るような音とか。僕が思ってるだけで、森安さんには聞いてないんだけど。」
● そもそも一人でやろうと思ったのはなぜ?ホントにギター一本でってのは。高校生のときは、ボーカルじゃなかったのに。
「昔、中学二年生のときにさだまさしを文化祭で、歌ったのが始めです。ただ、自分に花がないというか。キャラクターとしては二番手みたいな役回りがいいと思って、ボーカルの横で、ギター弾くほうの人だったんだけど。なんか、ミック・ジャガーよりはキース・リチャーズ。清志郎より仲井戸。なんか知的な感じがするんですよ。もともと歌うのは好きなんですけど。もっといえば、保育園児のころに、トイレの中でアニメソングとか、口ずさんだときに、自分の歌のよさに驚いたり。」
● 稲垣の面白いところは、アピアみたいなアンダーグラウンドの場所で、森安さんみたいなメジャーの世界の人とやるところ。別に裏表というよりも、稲垣の場合、レンジの広さみたいな。節操なく切り替えてるわけじゃなくて、自由に行き来してるような感じが。アンダーグラウンドに固執してるようにも見えないし、こびてるようにも見えないね。
「そうね。うん、何だろうね。ポジション決めてやって行こうって思ったときもあったけど・・・・」
|