発行・ライブハウス/渋谷アピア
アコースティック情報誌「あたふた」 Vol.99 2005.6月号

下ネタにうんちく、ありやなしや
松浦キノコ
 アピアのトイレは和式だ。それは和を重んじる店長の気持ちの表れであり、何より自分の足で踏ん張って何かを生み出そうとする姿勢は、音楽のそれと同じである。わけがない。辛いよね、和式って。洋式に慣れ切った85年生まれの僕(の足腰)には辛いものがある。夏休みとか、お婆ちゃん家(宮城県石巻市)に行くとトイレがジャパニーズスタイルで困ったものです。「お婆ちゃん、これどうやってするの?」「普通にしゃがんですればいいんだよ」「でもでも下から腕が出てきて僕の尻子玉が取られたらどうしよう?」「河童は川にしかいないから大丈夫だよ」「あぁ!お婆ちゃんあそこに河童が!」「何言ってるんだい、あれはお爺さんだよ」思い返すあの日々、二人は天国へ行けたんだろうか?あったかいお婆ちゃんの手の平。優しい声。お年玉。グスン。いけない、涙が・・・あ、まだ生きてるんだっけ。いけないいけない。ドジ山ドジ子さん!コツン(と言って頭を叩く)。
 
 あの、こんな事書いてていいんでしょうか?初あたふたで僕があたふたしてます。そういえば、遠藤ミチロウさんのライブを観にアピアに初めて来たときもA.TA.FU.TAもんでした。この店内でしょう?アジアンな感じで。もう呪いかけられるんじゃないかって、そればっかり心配でした。ずっと座っててお尻痛くなったし。あらやだ、なんかお尻の話ばっかり。あの日以来僕も20歳にして痔主の仲間入りで、ある意味呪いかけられたな、と。えぇ。まんまとやられました。
 
 じゃあ前置きはこの辺にして、そろそろ僕自身の音楽の話でも・・・と思ったら文字数足りねぇ!おばあちゃーん!これ原稿料いくら貰えるのかなー?松浦キノコでした。


「アケンコのCD」
この道をちょっと西にはずれて
じゃあ さよならみたいな
軽い感じで
西日のきみの優しさに
東の僕の情熱が
フォークみたいに刺さってる
(『この道をちょっと西』より)

 ふと思えば、アピアで唄わせていただくようになって3年とちょっとになる。(3年とちょっと)とさらっと言ってしまったが(3年とちょっと)はちょっとしたことである。

 小学校6年生が高校に入学するまでの間・・・そう、中学の3年間・・・その中には先輩があり後輩がありタバコがありアルコールがありケンカがあり・・・そしていつもなにかに夢中になっていた。時間の流れるスピードはもちろんはやい。うん。アピアでのこの(3年とちょっと)もはやかった。あの頃ほどではないにしてもはやかった。さぁ!振る返るのは終わり!
ここらでちょっと!ちょっとした形をのこしておきたい。そう思って作ったのがCD『この道をちょっと西』。
 選曲には時間はかからなかった。いちばん最近つくった歌4曲を録音した。レコーディン     グにも時間はかからなかった。2時間で4曲を録音し、1時間半でミックスダウンした。も     ちろん一発どり。プレスは業者にたのんだが、ジャケット、ケースのラのインレイカード、     歌詞等1枚1枚自分でカッティングして折ってハンコを押してケースに入れた。これに1番     時間がかかった。でも、楽しかった。気持ちとしてはもうこれで満足なんだが、これから     先の問題はこれを売っていかなきゃいけない・・・ということ・・・。ん〜こりゃ〜たい     へんだ〜!!!

てなわけで、アケンコのCD『この道をちょっと西』は「この道をちょっと西」「インスタントコーヒー」「開演前」「キリマンジャロのクズ」の4曲入り。1200円でございます。
もし、ちょっと興味をお持ちの方がいらっしゃいましたら、ぜひ遠慮せずお買い求め下さいませ。


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