当てどなく、ただひたすら自転車をこぎ続ける少年。
母を殺した岡山の17歳の少年がその後、千キロも離れた東北の町まで逃走した事件に想を得たこの作品は、さまよう少年の魂と北の峻厳な風景との交響を絶妙なキャメラワークと音楽、俳優人によって描いていく。
少年の胸のうちに去来する出来事、広がり迫りくる風景、そして、旅の途上で出会う人々の「言葉」に浮かび上がってくる日本の戦後史を透徹した眼差しによって切り取った若松孝二、入魂の最新作。
常に時代の先頭を疾駆してきた映画監督『若松孝二』の真実と全体像が今、明らかに!
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