発行・ライブハウス/渋谷アピア
アコースティック情報誌 Vol.127 2007.10月号

「ココにいる、方達は、ゴキブリの様な生命力を持っている」
高橋小一

 ソウルフラワーモノノケサミットでの、MCだ。
2007年8月12日(日)。気持ちのいい、晴々とした夏の昼下がり、13時00分起床。向かうは、寿町フリーコンサート。出演者は、みんなプロで、演奏が、優れているのは 当たり前なので この日、この街で、俺が感じた、「雰囲気」、を重点にして 伝えられたらな、と思っております。寿町職安前の、現場に到着して角の、酒屋にて 缶ビールを買う ドヤ街、日雇い労働者の街らしく、この酒屋では 肉体労働者の必需品の、皮手や、足袋用の靴下も 売られている。
 15時00分。司会の女性の方が 赤ちゃんを、オンブして ステージに上がる。「このコンサートは皆様方の募金で成り立っております、運営費9万円を、差し引いた、お金が、出演者に振り分けられます」などの 説明や注意事項を、聞くのも 楽しい。千人か二千人くらいの 人達が集まっているのだろうか?わからない、なんせ フリーコンサートだから入れ替わりで耐えず千人くらい、いる状況だろうか。トップバッターは『ソウル・フラワー・モノノケ・サミット』僕は、ニューエストモデルの印象のみで 楽しみにしていました、演奏の前に、 こう言いました、「グダグダ行くよ。みんな変に、盛り上がらなくていいからね。俺らの時間に何か問題があったら、次が、なくなるから」このコンサートを大切に思う気持ちが伝わる。さらに 冒頭文の「ココにいる方達は、ゴキブリの様な生命力を・・・」という言葉も、励まし と エールにしか 聞こえないのだ。持ち時間が、ラスト10分となった所で、用意してきた曲の半分も終わってない様子でした、残り10分で 6曲ほど、一番だけを メドレーのようにして 聞かせてくれた。
 2番手は『とおみねとおこ と オリーバーズ』アコーディオンを持ったボーカルと、ベース、ドラム、三味線、の四人です。 着物で民謡を唄います。親父に見せてやりたいバンドでした、寿町にマッチしています。3番手は『コトブキッズ』本当に、キッズ達でやっています。このイベントの 「核」となる、方達だな と 感じました。4番手は『ハシケン』。ハシケンさんの演奏から 僕はステージ前の 最前列に移動しました。ステージ前には、去年と同じ顔ぶれが チラホラと発見する事が出来ます。約束もしていないのに 知らない人達と 又 逢えて、 楽しさを 共有出来る事って、素敵だ。5番手は『寿(KOTOBUKI)』女性ボーカルで、女性コーラスもいる、華やかな バンドだ。場馴れした演奏とMCで、会場を 盛り上げに 盛り上げてから「ココで、唄いたかった」と 言って、「アメージンググレイス」を、唄い出すのだけれど、これが、感動的でした。太陽も沈み、ロケーションは、最高のわけです。あのアカペラの美しい始まり具合が 寿町のモノクロな街に、響き渡れば ステージ上の、ボーカルの女性が、女神に みえて、なりません。歌声が 自分の体の中に入り込んで、意味もなく「すべてを許してやろう」と、思うような、不思議な気持ちに なりました。車イスの おじちゃんも、ステージ前に来て みんなと手を繋いで、輪に、入っています。寿、の演奏後に、みんなで 車イスの おじちゃんを持ち上げて ステージ上の 女性ボーカルの方と、握手させていた。これが、寿町クオリティです。最後は『金尾義郎unit』今年は、ステージ前が暴れるゾーンと暴れないゾーンに、自然発生的に左右に分かれてまして、暴れるといっても ダイブや殴ったりは ありませんが、最後なので、暴れるゾーンに移動しました 。すぐに 肩を掴まれて輪になっているサークルの中に引き込まれます。誰が行っても、引き込まれますので来年は、みなさんも経験してみて下さい。無邪気になれます。
 今回、 肩を組んで、僕を輪に引き込んで くれたのは、坊主頭の お兄さんでした、彼と笑顔で、肩を組んで跳ねていると、僕と坊主頭の お兄さんの 腕の間から、グリグリと女の子の頭が、入ってきました、もちろん大歓迎なので 彼女を挟む感じで、輪が広がってゆくのです。 一曲 終わるゴトに ハイタッチしたり無意識にハグしあったりなぜだか嬉しくて、みんな仲良し、それだけでいいじゃないか。と、思うのです。「カンパ金額は、50ウン万円でした」と発表されました。最後に、金尾さんが叫んでいた言葉は、今でも 思い出されます。「ネバーギブアップ!!絶対あきらめるな!!」と。
 追伸、写真撮影禁止の為、落ちていたダンボールに、ステージまわりの、絵を描いてきたのですが、無くしました。ごめんなさい。来年は、しっかり描いてきます。 

熊谷-kumagai-
11月23日(金)昼の部

 幸いなことにボクはこの時代に生まれ、日本という国で育ち、家族や友人にも恵まれ、歩くことも、触れることも、見ることも、聴くことも、話すこともできて、唄うことができて、音楽が好きで…。それはあたりまえのごく普通な日常なのかもしれないけれど、その有難さへの感謝の気持ちをボクは無くしてしまいたくはありません。今のボクはいろんなものに支えられ、そして支えられているものには特に何もすることができていない25歳の男です。そんなボクにできること、それは見える限りの有難さを忘れないことだと思っています。せっかく言葉が話せるのなら人を傷つける言葉より勇気の言葉を。せっかく数が数えられるのなら失った数より得たものの数を。せっかく歌が唄えるのなら絶望よりも希望の歌を。ボクはボクの音楽を聴いてくれた人にとって少しでもプラスになるような音楽を目指して日々活動しています。是非足を運んでみてください。



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