発行・ライブハウス/渋谷アピア
アコースティック情報誌 Vol.126 2007.9月号
三上寛inフジロック2007
川上テルヒサ

 7月27日金曜日、21時30分、新潟県苗場スキー場内、苗場食堂。ステージ後方で、その一部始終を心に焼き付けている。日本を代表する夏の野外イベント「フジロックフェスティバル・07」。今回.僕は、4年ぶり2度目の出演となる三上寛 氏(以降「寛さん」と表記させて頂きます)のローディーとして参加をする機会を頂けた。この日は.午前中に『FIELD OF HEAVEN』で行われた「渋さ知らズオーケストラ」のステージにもゲスト参加。キャパ8,000人に迫る大観衆の中、その存在を爆発。場内では「I.Love.三上」と書かれた旗まで舞っている。僕はステージ上、寛さんの真下(足元)で譜面を差し替える大役を頂いた。もちろん、ギターのセッティングや細かい音の注文を音響さんに伝える事もそうだ。「渋さ」のメンバーは皆、楽しんでいる。それは、テレビで観たオリンピックの開会式のような光景で笑顔で手をふったり写真をとったり「祭り」なのだ。観客が、アーチストが、一つの音となりライブはクライマックスへと向かう。素晴らしい時間だった。ステージを終え、余韻に浸りつつも、夜の「苗場食堂」に備え、マネージャーの山田一郎氏.アシスタントの恩曽氏と共に宿へ向かった。仕事はまだ始まったばかりだ…。
 21時間30分、苗場食堂ステージの後方でその一部始終を心に焼き付けていた。昼のステージとは変わり音響も照明もソフト。空は晴れているが肌寒い。夏だというのに吐く息が白かったのには驚いた。リハーサル。入念なチェック。もちろん、その間も観客は声を出し楽しんでいる。リハーサルもまたライブ。野外フェスの醍醐味なのだ!
 本番。「渋さ知らズ」渡部真一氏による前説が、苗場食堂を一気にヒートアップさせる。若者が多く皆、食い入るようにステージ見ている。そして、寛さんの背中。本当に贅沢な時間.苗場の夜に開く「音」を見た。「祭り」の後の淋しさは心にぽっかり穴を空けるものだ。しかし、この祭りは違った。何故なら「目標」が出来たから。いつの日か…。僕も、寛さんが立ったあのステージで歌を唄いたい。そう…。いつの日か必ず!  2007年8月3日杉並区アパートにて…。 川上テルヒサ

ロードムービーのように
LITTLE DEAD FLOWERS

ふらふらと、夕暮れ沈黙の中会話する
そんな時にも飽きてきた、人恋しくなるものだ
日々に埋もれるより、ぶ厚い皮を身にまとい、脱皮し続けたい
君に僕に近づくように

われら LITTLE DEAD FLOWERS 変化し続けておる
弾き語りから始まり、2人となり、1人となり、3人となり、メンバーチェンジ
過去を振り返るのもよいが、鼻先でたった今の空気を感じたい
「バンド名なの、個人名なの?」よく聞かれるが、よいのだ
L.D.F. 孤独な同士のつながりだ、面倒くさい事は抜きだ、
共に奏でたい同士がいるだけ
それでよい、不満も出てくるが、それでよい
これぞロードムービィー
10月、11月、その先々、2人か、3人か、1人か4人か5人か、わからぬ
ただ、われらロードムービィー、
そのときどきの個性、サウンドを大事にしたい
そのときどきに、吐き出る歌詞を大事にしたい
われら LITTLE DEAD FLOWERS
孤独に戦うもの同士でいたい
ロードムービィーのように、たった今を考えながら
ぶ厚い皮が、重くするりと抜け、生まれ変わるように


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