発行・ライブハウス/渋谷アピア
アコースティック情報誌 Vol.115 2006.10月号
「第28回 横浜寿町フリーコンサート」

高橋小一

 石川町の駅を降りて寿町職安前に向かって歩く途中、風に乗ってミチロウさんのギターが聞こえてきた。この時に「中止」にならなかっただと実感して不安がワクワクに変わった。2006年8月12日、2時過ぎに降りだした雨は落雷をともなうどしゃぶりとなって電車のダイヤはみだれにみだれた僕が現場に到着したのは5時頃でミチロウさんの演奏真っ最中、渚ようこさんとコトブキッズがみれなかったのが残念。雨はすぐ上がりもっと早くくればよかったと速攻で後悔した。
 「昼真っからSEX SEX叫んですいません」と、ミチロウさんはいつものようにギターの弦をブッチブチと切りながら「仰げば尊し」までカッコ良すぎ。爆裂都市(バーストシティ)リアル20000ボルトだ。でも、寿町でみるミチロウさんは我等がアイドルって感じだ。カンパ箱に小銭をいれる。問題はマーガレットズロースだ。カッコイイのだ、酒がすすむ、寿町の面白さは、この街の雰囲気。そして人(ヒト)それらが「一体」。
 ステージ前付近はペンキアートなので、そのまわりの人達は当然ペンキまみれ。だんだん自分もペンキまみれになりたくなってくるのが不思議だ。露店では、つまみは買うが酒は定価で売ってくれる角の酒屋で買う。
 この酒屋ではカップ酒がレジの後ろにあり店員しか手の届かない場所にある。寿町では重要な商品なのだろう。
それにしても今日のこの街、寿町はフランス映画のようだ。
 スタンピートと続き、さて、南正人さんだ。僕もステージ前で楽しむ事にした、何曲唄ったんだろう。10曲くらいだろうか、MCもはさまずぶっつづけなのだ。最初から最高に盛り上がった。僕らは肩を組み声を合わせ跳ね続けた。ハイタッチをしてペンキまみれになってまた肩を組んでぐるぐる回った。
 なぜだか嬉しくなってくる。ラストはステージ前、ズラッと全員で肩を組んで一列に並び南さんを観ている。
最前列、寿町の人もいる、僕もいる。紫のシャツの人、緑のシャツの人、裸の人、全員初対面だけどみんないる。
後ろからみたらどんな光景だったのだろうか?そんな事はどうでもよかった。音楽って素晴らしい。寿町の方々、スタッフの方々、愛すべきミュージシャンの方々、そして僕も仲間にいれてくれたみんな、ありがとうござました。    
 夜の寿町には、いい風が吹いていました。来年につづく・・・

「ウシの家族」

キタザワボーイ・ハナヲ

ある夏の日、考えすぎさパパ
あきらめ過ぎだよママ
真似をし過ぎさボク
やせすぎだよキミ
ゆっくり歩いて
ていねいに噛んで
どっさり糞する
ウシの家族でいい

頑張りすぎさパパ
期待し過ぎだよママ
達観し過ぎさボク
老け過ぎだよキミ
すぐのせられない
納得しない
頑固で不器用な
ウシの家族でいい

勤勉過ぎさパパ
素直過ぎだよママ
だまされ過ぎさボク
ハデ過ぎだよキミ
いろんな人みて
外国行って
それでも変わらぬ
ウシの家族でいい

11月29日(水)LIVE22

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