あたふたTOPへ

次ペ ー ジ へ

APIA-N ETへ

発行・ライブハウス/渋谷アピア
アコースティック情報誌「あたふた」 Vol.107 2006.2月号

「山吹」航

力強く、繊細に響く航の「うた」。
現実と超現実の狭間を大胆に闊歩していく。

1.Sola 2.坂 3.マド 4.Untitled 5.春よこい 6.月の砂漠 7.Pakonya 8.あぜ道 9.白磁白湯 10.夏の樹 11.はじめてのデート
Libra203-012 \2500

  緩やかで長い坂道の上の石畳の遥か彼方には何百年もの空が海と境を接し、壁があまりに厚いが故に真面目な顔をせざるをえない窓は必然的に破られあぜ道の上にかかった深い霧とコンクリートの壁は空一面を照らす太陽の輝きによって後退する。目をつぶり、この星の命の声を聞く樹のたもとでもやはり見上げているのは空であり、遠慮がちな旅人が見知らぬ人の差し出す白湯で喉の渇きを癒すことが出来るのも彼が旅を続ける運命を背負っているからなのだろう。さらには選ばれた童謡2曲とて流転の思想と無関係ではいられない。

「おんもに出たい」気持ちがうずくのは巡る季節があるからであり、駱駝が行くのが灼熱の炎天下ではなく、月下でなくてはならないのは闇の後には必ず夜明けがやって来るからである。実際「Sola」の冒頭、地霊の囁きのようなピアノの内部演奏がひとしきり続いた後に、鍵盤(外界/地表)への最初のタッチが紡ぎだす和音とシンクロするように轟き渡る”オホ〜イホイホイホイホォ〜イ”という雄叫びとも呼びかけとも受け取れる声、そこにはなんともシャーマニックな響き満ち溢れている。 
(松尾史朗 山吹ライナーより抜粋)


 「女性ボーカリスト、航のデビューアルバム”山吹”を藤井郷子がプロデュース、ピアノで参加した。2004年より、新宿PIT INN、江古田Buddy等で航+藤井郷子Duoライブを経て、同年11月にNY、Systems Two にてレコーディングを行う。インプロバイザー、テッド・ライクマン(Accordion)をゲストに招いた。オリジナル曲にプラスして「春よ来い」「月の砂漠」を収録。また、藤井郷子オーケストラ、クァルテットで演奏した人気曲に田村夏樹、航が作曲した曲もある!」

 航 koh(Vo,Piano)プロフィール
1979年生まれ。クラシックピアノを吉田文子氏に師事。2002年国立音楽大学卒業、獏原人村満月祭に参加、北澤孝一(ds,per)と共演、ロックバンド”アナコンダ”にコーラス、キーボードで参加、CD-Rアルバム「夏秋歌集」発表、渋谷アピア、高円寺稲生座等で演奏活動を行う。2003年、ソロ活動の他、柿沼朋音(ds,per)とユニットで活動開始。いくつかのバンドのコーラスを担当する。2004年、新宿PIT INNに藤井郷子(p)とデュオで出演、ヴォーカルを担当する。CFに音源を提供。また、日本音楽療法学会正会員となる。三角みづ紀(詩人、映画監督)の映像に音源を提供。11月本作品のレコーディングを行う。2005年、東京国際音楽療法専門学校に入学、在学中。




あたふたTOPへ

次ペ ー ジ へ

APIA-N ETへ
P1 P2 P3 P4 P5 P6