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「ひとりの人間が生の楽器でどこまで表現できるか。」 に挑戦しつつ、25年間ずっとスタイルを変えることなく 一人でやってきた。 ほとんど自作の曲をギターとハーモニカにのせて歌っている。 50本のハーモニカと当座の着替えを 60リッターの登山リュックに詰め込んで、 日本のあちこちをまわっている。 俺の育った境遇(全盲、在日朝鮮人)と、 アメリカでしいたげられて生きてきた黒人とは 何か相通じるものがあるみたいで、 黒人独特のあのブルースハープの音色は白人系の音では無い。 俺のハーモニカの音は確かに俺でしか出せない心の叫びだ。 日本語で歌うブルースなんてカッコ悪いだって! 自分は日本語しかできんのや。 己の心をストレートにぶつけるにはやっぱりこれなんや。 「差別」「偏見」「貧困」の中、やり場のない心をブルースにぶつける。 俺の歌なんぞおのれのカッコ悪さを歌っているようなもの。 間違ってもスマートでカッコいいなんてことはありゃしねぇ。 だって俺のブルースは俺自身だからな。 |
金沢栄東 |