発行・ライブハウス/渋谷アピア
アコースティック情報誌「あたふた」
Vol.102 2005.9月号
とのうちさぶろう
目を見開いたその先には、空の青と海の青と砂浜の白だけが悠然と広がっている、入ってくる音といえば自由気ままに寄せては返す波の音と太陽が肌をジリジリ照りつける音だけだった、目と耳を自由にされた僕はもうひとつ自由にと思いギターを取り出し一人唄い始めた、唄は口から自由に海や空に広がっていき言葉は勝手に空と海と砂浜たちとゆらゆら戯れ始めた。数時間経っても何一つ変わらないそれらを前に何も考えなかったり答えが何なのか分からなくなるくらいまで考えたり、とにかくずっとずっとノドをかき鳴らし続けた。時間を忘れ僕はとにかくずっとずっとノドをかき鳴らし続けたんだ。
こうやって書くと少しは海の写真と合うかな、と思いちょっとばかりかっこよく書いてみたつもりだけど思ったほどかっこよくないなぁ、まいいか。
渋谷APIAで唄い始めて2年半、緊張に押しつぶされそうになる日、何かを得たと少しだけ自分に酔う日、酒を煽り顔真っ赤で何にも覚えてない日、失敗に悔やむ日、良い意味で失敗に開き直れる日、伊東さんに「もうちょっと集客頑張ってよ」と言われる日(これは毎回か?笑)、少し思い返すだけでも色んなライブをしてきたな。未だヨチヨチ歩きの僕なのだが、そのヨチヨチ具合の一挙手一投足を渋谷APIAにはすべて見てもらってきた気がする、そんな渋谷APIAは恥ずかしのと温かいのと入り混ざった特別な存在である。これからもそんな存在はきっと変わらないだろう、それを軸に僕はあらゆる色に形に変化し日々成長していきたいと思う。LIVE22は2年ぶり、2年前のあのヨチヨチっぷりったら恥ずかしいことうけあい、今回はどんな成長の成果を見せられるか楽しみだ。9/9(金)唄いますよ、ヨチヨチとまた唄いますよ。
(マンガ)
CHIO
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