詩の部屋TOP 夜のプール 詩/曲・飯浜裕樹子
海の色に沈む街 波がそよぐ
揺れる人泳ぐ電車流れるテイルライト
さよならまたあしたほんとにあえるよね
遠くなる君の背中がやがて波にさらわれる


差し出す手を払って うそぶく君
おぼれるまぎわまではたすけたりしないでよ
猫なのかゴミなのか分からない空き地を抜けて
もうすぐ 君は君だけを守る家に着くところ


誰もいない公園を ひとりふらり
暮れてゆく空はいつか 水面に月泳がせる
ゆらゆらりゆらゆらら壊しても壊しても
夜のプールで月だけが笑って泳いでた
あおくふかい海のずっと奥底で
うずくまって夜を見あげてた


いつまでもいつまでも
月は踊り続けていた
海と空のさかいで
月はいつまでも
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