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サーカス

詩/曲・飯浜裕樹子
 赤い幟が立ち並び
 突然町が賑わった
 ピーヒャラチンドン練り歩く
「今宵の祭りを見においで」

 月がぽっかり浮かぶ頃
 儚い祭りは始まるよ


 月の光に照らされて
 生まれたばかりのテント小屋
「ようこそサーカス御覧あれ」
 テントの中に星が降る

 空中ブランコ綱渡り
 見たことのない夢を見る
  
 ピエロが笑って泣いている
 何だよあれは僕じゃないか
 どんなに戯けて笑っても
 涙の跡が消えてないよ

 ほんとの顔が見たかった
 泣いて笑った可笑しな顔の
 下にある顔見たかった

 も一度夢が見たくって
 空き地に続く道走る
 息急き切らして来てみたら
 跡形もなく消えていた

 まるで夢だ 夢だったんだよ
 みんなでおんなじ夢を見た


 月がぽっかり浮かんだら
 何処かでサーカス始まるよ
 拍手喝采 星が降る

 みなさん今夜はありがとう
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