高田夫妻
大間港から見送る高田夫妻
7/6 函館あうん堂

「子供たちが機関銃で〜」

昨日あんなに汗をかいたせいか、寝起きなのに顔はげっそりしていた。その割には体は元気で、さすが桜カルビ。

高田夫妻がフェリー乗り場の大間まで、車で送ってくれるというので、ホテルまで迎えに来てくれた。

本州最北端の大間はマグロで有名。その大間に行く途中、すごい話を聞いた。 戦前、海軍基地のあったむつには、防空壕がいっぱいあって、戦後は子供たちの遊び場になっていた。

ところが敗戦で海軍は解体されたので、機関銃や小銃を防空壕に捨ててったらしい。その銃を使って子供たちは遊んでたらしいのだ。たぶん弾は抜いてった んだろうが、それにしてもすごい光景だ。

恐山に寄っていく時間はなかったので、津軽海峡側の海岸線を通って大間に向かった。しかしすごい霧だ。海なんてちっとも見えない。辛うじて道路は見え る。 冷たい海に暖かい空気が流れ込むと霧は発生するらしい。

「迷惑サミット」

大間港に着くと霧は薄まっていた。ところがフェリー乗り場には数台のパトカーと警察官が検問している。ひぇー、こんなローカルなフェリーにも。洞爺湖 サミットが明日から始まるからだ。まったく迷惑なサミット。人間のいない太平洋の真っ只中ででもやってくれ。

後でニュースで知ったのだが、それを取材に来たテレビ局のヘリコプターが、フェリーが出港した10分後に濃霧のため海上で墜落してしまったのだ。なん ということだ。4人死亡。ある意味でサミットの犠牲者だ。冥福を祈ります。



「カモメヒッチコック」

しかし海上に出るとやっぱり霧は濃くて、遠くは何にも見えないない。カモメだけがまとわりついてくる。

売店で「とんがりコーン」を買って、指につまんでかざしたら、ピューン、パクってカモメがついばんでいく。

ところが下手なカモメが間違って指をつまみやがって、痛っー! やばい、ギター弾けなくなる。仕方ないので何個か持って空中にバラまく花咲じじい。

パクッ、パクッと飛びながら空中キャッチのカモメたち。ほとんど落とさない。すげーな。あっというまにカモメ軍団。まるでヒッチコック劇場だ。

頭のい いカモメは無理しないで甲板に落ちてるコーンをあわてずつまんでる。あんたはえらい。

ラーメン屋の猫

ラーメン屋の猫
滋養軒の塩ラーメン

滋養軒の塩ラーメン


「はるばる来たぜ函館」 そんなこんなで小一時間過ぎると、ブォー、ブォー、ブォーと汽笛が激しく鳴りっぱなしになった。函館港が近づいてるんだな。見えない船とぶつからない ように。 やっと函館が見えてきた。♪は〜〜るばる〜来たぜぇ〜函館ぇ〜♪♪ いいねえ、やっぱり海から入る函館は。 ここんとこいつも青函トンネル御利用だったもんだから、感慨もひとしお。旅気分倍増だね。 港には青森から来た新しい巨大高速ジェットフェリーが横付けされていた。 大間から乗ってきたやつとはまるでカブトムシと黄金ムシみたい。あれつまんないんだよね。ボクにとっては。甲板に出れないし、というより甲板がない。 「函館は塩ラーメン」

函館の街は日曜日というのに大通りの人はまばら。ロシア人だけが目立つ。樺太からの直行便が就航したそうだ。

ライブハウスのあうん堂が開くには、まだ時間がたっぷり。美味しい塩ラーメンでも食うか。 ぼくは重い荷物を引きずって、いつもの滋養軒に向かった。

滋養軒はあうん堂のすぐ近くにある。濃い味こってり系が苦手になってきたぼくは、その傾向が特に強い北海道ではひたすらあっさり塩味を求めてしまう。

滋養軒の入り口に止まった車の下でキジトラの猫ちゃんが迎えてくれた。こんにちは! 塩ラーメンはやっぱり旨かった。もう一杯食おうかな。いやいや美味しいものは腹八分目で。


昼寝中のボンちゃん

昼寝中のボンちゃん
客引きボンちゃん

客引きボンちゃん


「ボンちゃんは19歳」

このあとはいつものように美味しいコーヒーを飲みに、喫茶店モーリへ。あうん堂の真向かいにある。

ここには人なつこい可愛い黒猫、ボンちゃんがいる。お盆に生まれたのでボンだって。

もう13年来続けてるけどいつも同じようにいる。マスターも変わらず。ボンちゃんは今年19歳。元気かな?

店に近ずくと、入り口近くの路上で昼寝中だった。あんまり気持ち良さそうに寝てるのでそっとしてお店へ。コーヒー頼んでたら、ニャ〜〜〜ア〜〜〜って 眠そうに現れて、足にスリスリ。これがないと函館に来た気がしない。ボンちゃんいつまでも元気でね。と、しばらく戯れてたらあうん堂の川井くんが顔を 出した。
あうん堂

あうん堂
あうんの屋根裏楽屋

あうんの屋根裏楽屋


「ありがとう!川井くん」

あうん堂は二代目マスター川井くんが、初代の鈴木さんから引き継いでもう5年。鈴木さんの時からPAは川井くんだった。だからぼくのオペレーターも 13年。曲も殆ど知っている。昔は自分のバンドでも出演してた。ぼくと一緒に函館スターリンをやったこともある。

だからぼくはもうまかせっきりで、気持ちいい音できもちいい演奏をするだけだ。そして今回は特に気持ちいい演奏ができた。新曲もバッチリ。ありがと う、川井くん。は〜〜〜るばる来たかいあったぜ函館ぇ〜〜〜♪♪

明日は東京か。あっという間だったな。